2026.07.28
「食べることは人生を楽しむこと」ベリッシモさんが語る、パルミジャーノ・レッジャーノとイタリア流・食卓の楽しみ方
イタリア人料理研究家・ベリッシモ・フランチェスコさんにとって、「食べること」とは単に空腹を満たすためではなく、人生を楽しみ、人と人をつなぐ大切な時間だという。その食卓に欠かせない存在が、イタリアを代表するチーズ、パルミジャーノ・レッジャーノだ。 今回は、熟成期間ごとの楽しみ方や日本の食材との相性、そして今回特別に考案してもらったレシピに込めた思いまで、ベリッシモさんならではのユーモアあふれる言葉でたっぷり語っていただいた。
食卓は人生を楽しむためのステージ
――イタリアの食文化の中で、日本に伝えたいと感じている価値観は何でしょうか。
「それは、『食卓は人生を楽しむためのステージ』だということ!
イタリア人にとって、食事はただお腹を満たすための時間じゃありません。ビジネスやプライベートの大切な人たちと集まって、美味しいものを囲みながら『あーだこーだ』とお喋りする。これこそが思い出作りで、人生で一番幸せな瞬間なんです。
日本の方も、もっと『食のパッション』を爆発させていいんですよ!そんな『心の豊かさ』や『ゆとり』を、イタリア料理を通じて伝えていきたいですね。食べることが楽しければ、人生はもっと『ベリッシモ』になりますから!」

イタリア出身の料理研究家・ベリッシモ・フランチェスコさん。日本で25年以上にわたり活動し、日本とイタリアの文化や価値観の違いを「食」を通して発信している。テレビや講演など幅広い分野で活躍し、食を通じた国際交流にも力を注いでいる。
――イタリア人にとってパルミジャーノ・レッジャーノはどのような存在ですか?
「あぁ、それはもう『家族の一員』であり、『イタリアの誇り』そのものですよ!
イタリアの家庭の冷蔵庫を開けてみて。パルミジャーノ・レッジャーノが入っていない家なんて、まずありませんね。それくらいあたり前で、なくてはならない存在なんです。
僕たちにとって、パルミジャーノ・レッジャーノは単なるチーズじゃない。マンマ(お母さん)がパスタにたっぷりかけてくれた愛情の味であり、何年もかけて熟成させる職人たちの魂の結晶なんです。いわば『食べられる芸術品』ですね!」

――パルミジャーノ・レッジャーノ熟成期間の違いを、どのように使い分けていますか?
「いい質問ですね!パルミジャーノ・レッジャーノはね、人間と同じで『年齢』によって性格が全然違うんですよ。
若いもの(12〜18ヶ月)は、フレッシュでミルクの香りがとっても優しい! サラダにたっぷりかけたり、アペリティーボ(食前酒)でそのままパクっといくのが最高に『ベリッシモ』です。
24ヶ月前後になると、もう『キッチンの王様』! 味のバランスが完璧だから、パスタやリゾットに入れれば、それだけで料理が魔法みたいに美味しくなります。
そして30ヶ月以上の長期熟成。これはもう、旨味の爆弾です! 料理に使うのもいいけど、僕は上質なワインと一緒に、そのままの濃い味をゆっくり楽しむのが一番の贅沢だと思いますね」

日本の旨味文化との相性は抜群
――パルミジャーノ・レッジャーノと日本の食材の組み合わせについてアドバイスをお願いします。
「実はね、パルミジャーノ・レッジャーノと日本の食材は『最高の恋人同士』なんですよ! なぜかって? どちらも『旨味(UMAMI)』を愛しているから。
だし、醤油、味噌といった日本の発酵食品は、パルミジャーノ・レッジャーノと出会うと口の中で素晴らしいダンスを踊り出します。味噌汁にちょっと削って入れるだけで、マンマも驚くような深い味になるんですよ。
ポイントは、味を『足す』んじゃなくて、素材の良さを『引き出す』こと。パルミジャーノ・レッジャーノを使うことで、いつもの日本の野菜や魚が、もっとキラキラと輝き出すんです!」

――料理を作る際、日本人の味覚に合わせる際に意識していることはありますか?
「日本の方の舌は、世界一繊細だと思っています。バランスの取り方が本当に素晴らしい!
だから僕が料理を作る時は、味を強くしすぎないように気をつけています。旨味や香りを何層にも重ねて、『繊細なハーモニー』を作ることを大切にしているんです。

それと、見た目の美しさ! 日本では『目で食べる』って言いますよね? 季節を感じる色使いや盛り付けは、イタリア料理であっても絶対に妥協しません。日本の感性をリスペクトすることで、僕の料理もより深く皆さんに届くと信じています」
イタリアと日本が”旨味でハグする”一皿
――今回のレシピ「パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット山椒風味」の狙いや、コンセプトを教えてください。
「今回のコンセプトは、ズバリ『イタリアの伝統と日本の心が、旨味でハグすること』ですよ。
イタリアのクラシックなリゾットに、パルミジャーノ・レッジャーノのコク、そして日本でもイタリアでも愛されている『きのこの深い旨味』をこれでもかと詰め込みました。きのこはね、ただの具材じゃない、この料理の『土台』なんです!
そこに僕の『秘密兵器』として山椒を加えました。チーズの濃厚な幸せときのこの大地の香りが重なった後に、山椒の爽やかな風がふわっと吹き抜ける…。このコントラストが、マンマ・ミーア!たまらないですよ!伝統を大切にしながらも、新しい発見を皆さんにプレゼントしたかったんです」

――今回のレシピで心がけたことを教えてください。
「一番大切なのは、『きのこの旨味を爆発させること』です!
いいですか、これを覚えるとモテちゃいますよ(笑)。きのこはね、フライパンでしっかりと水分を飛ばして、『これでもか!』というくらい旨味を凝縮させてください。 ここで手を抜いちゃダメ。
じっくり炒めることで、きのこが最高のダシに変わるんです。これが味の絶対的な土台になります。
あとは、山椒を『素敵なアクセサリー』のように優しく添えること。最後にパルミジャーノ・レッジャーノと一緒にしっかり『マンテカーレ(乳化)』させて、リゾットを宝石みたいに滑らかに仕上げれば……もう、口の中がイタリアと日本のフェスティバルになります!心を込めて作れば、絶対に『ベリッシモ!』な味になりますよ!」
【動画 パルミジャーノ・レッジャーノのリゾット 山椒風味 の作り方】
ベリッシモさんが語るように、食卓は人生を楽しむためのステージだ。パルミジャーノ・レッジャーノをひと削りするだけで、そのステージは少しだけ豊かになる。食を楽しむ心を大切にしながら、本物の味わいとともに、”ベリッシモ!”な時間を過ごしてみてほしい。
文 曽宮岳大
写真 鈴木雅人
※パルミジャーノ・レッジャーノが認定を受けるPDOとは:
パルミジャーノ・レッジャーノは、EUの原産地名称保護(PDO)に認定されているチーズです。添加物や保存料を一切使用せず、伝統的で自然な製法によって作られています。また、世界で最も模倣や偽造が多いチーズの一つでもあり、PDO制度はこのような製品の呼称や品質を守るために設けられています。
欧州連合規則 第1144/2014号に基づくプログラム101194314 ENSO-EU ― 欧州連合の共同出資による。
※EU規則1144/2014に基づく、EU支援の農産物販促プロジェクトです。

