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「里山とイタリア食文化が出会う。「アウトドアヴィレッジやかげ」でパルミジャーノ・レッジャーノのホイールオープンを披露」イメージ

里山とイタリア食文化が出会う。「アウトドアヴィレッジやかげ」でパルミジャーノ・レッジャーノのホイールオープンを披露

岡山県矢掛町に4月28日、アウトドア複合施設「アウトドアヴィレッジやかげ」がオープンした。自然豊かな里山に誕生した新たな交流拠点では、アウトドア体験や地元食材を活かしたイタリア料理が楽しめるほか、オープンイベントでは「パルミジャーノ・レッジャーノ」のホイールオープンと試食提供も行われ、多くの来場者で賑わいを見せた。

矢掛町とイタリアをつなぐ“食”の交流

岡山県南西部に位置する人口約1万3千人の小さな町、矢掛町。自然とともに暮らす文化が今も色濃く残っているこの里山に、4月28日、アウトドア複合施設「アウトドアヴィレッジやかげ」がオープンした。

美しい緑に囲まれた矢掛町の街並み。写真提供:矢掛町役場

アウトドアヴィレッジやかげは、ユニットキャンプや小田川での水上アクティビティ、アウトドアショップ(モンベル矢掛店)、イタリア野菜を使った料理を提供する飲食店(Caffè dell’ orto:カフェ・デル・オルト)が楽しめるアウトドア複合施設だ。

四方を山々に囲まれた景観の中にいると、どこか気持ちが弾む。このような自然の中でアウトドア・アクティビティを楽しみ、カフェで食事を味わう時間は、格別なものになりそうだ。

カフェ・デル・オルトの立ち上げに携わったイタリア人のジョバンニさんは、

「私も登山が好きなのですが、イタリアではパルミジャーノ・レッジャーノをリュックに入れて、出掛けたりしたものです。タンパク質がたっぷり含まれるので、エネルギーを欲しているときに食べると元気をもらえる気がするんです」と笑顔で語った。

写真一番右がジョバンニ氏。

カフェ・デル・オルトでは、地元の野菜をふんだんに使ったイタリアンが楽しめる。ピンサやラザニア、こだわりのパスタなど、イタリア野菜をいかした料理を中心に、ジェラート、カプチーノやエスプレッソなどのカフェメニューも充実している。さらに、店内にはイタリア野菜の販売コーナーもある。

矢掛町に根づくイタリアとのつながり

実は、矢掛町とイタリアとの結びつきは、約8年前に遡る。旧山陽道の宿場町として栄えた矢掛町には、白壁の町並みや古民家が今なお残る。こうした古民家再生の取り組みが評価され、矢掛町は2018年にイタリアのアルベルゴ・ディフーゾ協会から日本初の「アルベルゴ・ディフーゾ・タウン」に認定されたのだ。

※「アルベルゴ・ディフーゾ・タウン」とは、町全体をひとつのホテルに見立て、地域に点在する伝統的な建物や空き家を宿泊施設として活用する“分散型宿泊”の考え方。地域の日常や歴史的な街並みに溶け込みながら滞在を楽しめる、新しい観光スタイルとして注目されている。

矢掛町の本陣通り。旧山陽道の宿場町として栄えたその雰囲気を今も伝える。写真提供:矢掛町役場

これを機に矢掛町とイタリアとの交流が深まり、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、イタリアチームのホストタウンとして、所沢で合宿中のイタリア選手に矢掛で採れた野菜を送り、イタリア料理として提供した。祖国から離れて競技に向き合う選手たちにとって、生産者の気持ちがこめられた野菜は、大きな力となったに違いない。

こうしてイタリアとの縁をさらに強めた矢掛町では、「矢掛町イタリア野菜プロジェクト」が立ち上げられ、今なおイタリア野菜の生産を積極的に行っているのだ。

ホイールオープンに来場者も釘付け

アウトドアヴィレッジやかげのオープンには、数多くの地元の人々が集まった。オープン式典には、町長や知事、地元県議、モンベルの会長、社長などが訪れ、盛大に行われた。

式典の後、チーズのプロフェッショナルである星野さんによる、パルミジャーノ・レッジャーノのホイールオープンパフォーマンスが披露された。約40kgある巨大なチーズを専用ナイフで開いていく様子に、来場者たちは興味深そうに見入っていた。

星野さんは、チーズを割りながら、パルミジャーノ・レッジャーノについて解説した。

約1000年にわたり受け継がれてきた伝統製法で作られていること、生産地が北イタリアの限られた地域(パルマ県、レッジョ・エミリア県、モデナ県、レーノ川左岸のボローニャ県、そしてポー川右岸のマントヴァ県)に限定されていることなどを紹介。さらに、その名称や製法、品質はEUのPDO(原産地名称保護制度)によって厳格に保護されていることも説明された。

ホイールオープンパフォーマンスの後、切り分けられたパルミジャーノ・レッジャーノの試食も提供され、多くの人がその豊かな旨味と香りを楽しみながら、笑顔を見せていた。

そのチーズを口にした人からは、「本格的なチーズは初めて」「美味しい」「濃厚なのに食べやすい」などの声が聞かれた。

矢掛町は、アルベルゴ・ディフーゾ・タウンに認定されたことからもわかるように、古くから受け継がれてきた町並みや文化を大切に守りながら、自然と共生する暮らしを育んできた地域である。そうした価値観は、長い歴史の中で伝統製法や品質、職人たちの技術と想いによって守られ続けてきたパルミジャーノ・レッジャーノとも、どこか通じ合うものがある。里山の穏やかな風景の中で味わうその深い旨味は、多くの来場者の心に印象深く残ったようだ。

自然豊かな里山の風景と、イタリア食文化が心地よく溶け合う「アウトドアヴィレッジやかげ」。アウトドア体験だけでなく、地域の食や、イタリア文化の発信地として、今後ますます注目を集めそうだ。

文 曽宮岳大
写真&映像 WAM Co. Ltd

※パルミジャーノ・レッジャーノが認定を受けるPDOとは:
パルミジャーノ・レッジャーノは、EUの原産地名称保護(PDO)に認定されているチーズです。添加物や保存料を一切使用せず、伝統的で自然な製法によって作られています。また、世界で最も模倣や偽造が多いチーズの一つでもあり、PDO制度はこのような製品の呼称や品質を守るために設けられています。

欧州連合規則 第1144/2014号に基づくプログラム101194314 ENSO-EU ― 欧州連合の共同出資による。
※EU規則1144/2014に基づく、EU支援の農産物販促プロジェクトです。