2026.04.22
トップアスリートを支えたもの。入江陵介さんが語る“継続”と“食”について
16歳で日本代表に選出され、2008年の国際大会で入賞。2012年には世界最高峰の舞台で銀メダル2つ、銅メダル1つを獲得。さらにその後も4大会連続で世界最高峰の競技大会に出場したスイマー、入江陵介さん。そんな入江さんには、チーズ好きという一面も。競泳ファンのみならず多くの人々に勇気と感動を与えてきた元競泳日本代表に、競技人生を通して学んだこと、そして「食」との関わりについてうかがった。

国内外の主要大会で数々のメダルを獲得した元競泳日本代表、入江陵介氏。100m背泳ぎ、200m背泳ぎ(長水路)の日本記録保持者で、軸のぶれない美しい泳ぎは広く知られている。現在はスポーツ解説者やTVコメンテーターとして活動するほか、JOC日本オリンピック委員会アスリート委員会の副委員長など、多方面で活躍中。
「落ち込むなら、落ち込めばいい」
――物心つく前から水泳をされていたそうですが、小学生や中学生の頃はどんな目標を持っていましたか?
「小学生や中学生の頃は、ジュニア水泳の全国大会を目指し、そこで表彰台に立つこと、メダルを獲得することを目標に日々練習を重ねていました」
――中学3年生から高校生にかけて日本新記録を樹立されていますが、世界最高峰の大会を意識したのはいつ頃ですか?
「中学生の頃はまだ世界最高峰の大会のことは考えていませんでした。本格的に目指し始めたのは高校2年生のとき、初めて日本代表の選考会を突破してからです。そのまま代表に選ばれ続ければ、大学1年生のときに開催される北京大会を狙えるかもしれない、と思うようになりました」

――その後、4大会連続で世界最高峰の舞台に出場されました。長い競技人生の中で大切にしてきたことは何ですか?
「僕は“継続すること”を何より大切にしてきました。スポーツの世界では、伸び悩みや挫折、思い通りにいかない時期が必ず訪れます。そこで辞めるという選択肢もありますが、僕の場合はやり続けたことが一番の強みになったと思っています。
もちろん、継続がすべてだとは思いません。本気でやりたい新しい道が見つかったなら、そちらに進むのも立派な選択です。でも“今がしんどいから”という理由だけなら、僕は続ける道を選んできました。それが結果的に、2024年まで現役を続けられた理由だと感じています」

――水泳をしていて、楽しいと感じるのはどんな時でしたか?
「結果が出たとき、メダルを獲得できたとき、自己ベストを更新できたときは、やはり最高にうれしい瞬間です。でも、それだけではありません。小学2年生のときにイトマンスイミングスクールへ移籍したのですが、そこで学校とはまた違う大切な友人に出会うことができました。全国大会に出れば、各地の選手とも知り合えます。年に2回の全国大会でしか会えない友人や戦友も多く、そうした仲間と再会できることも大きな楽しみでした。水泳を通じて得た学びはもちろん大きいですが、競技以外で得たものも非常に大きかったと思います」

――著書『それでも、僕は泳ぎ続ける。』では、「思い通りにいかないときは、ネガティブなままでいい」と書かれています。その真意を教えてください。
「人はポジティブな人に憧れがちですが、僕はネガティブなときはネガティブでいいと思っています。僕自身、落ち込むことは多いですし、無理に気持ちを上げようとしても一時的に上がるだけで、また戻ってしまう。だったら一度どん底まで落ちてもいい。そうすれば、自然と気持ちが上向く瞬間が必ず訪れます。年齢を重ねてもそれは変わりません。無理にテンションを上げるよりも、自然に“またがんばろう”と思える瞬間を大切にするほうがいいのではないかと思っています」
エネルギーを支えた日々の食卓
――食生活についても教えてください。競泳はエネルギー消費が激しいスポーツですが、日常で気を付けていたことはありますか?
「僕らの時代は今ほど情報があふれていなかったので、基本的には親が用意してくれたものを食べていました。体が細いほうだったので、なるべく量を食べることは意識していましたが、ジュニア時代はそこまで深く考えていませんでした。プロテインを摂るようになったのも大人になってからです」

――今は自炊もされていますか?
「はい。鍋やカレーを作ったり、お肉を焼いたりと、ごく普通の料理はしています」
――チーズはお好きですか?
「好きですね。先日誕生日だったのですが、フレンチレストランに行きました。デザートのタイミングでチーズワゴンが運ばれてきて、たくさんのチーズを目にしました。チーズは昔から好きで、身近な存在です」
――現役時代からよく食べていましたか?
「はい。現役の頃もよく食べていました。食堂にも置いてありましたし、タンパク質補給の目的でも食べていました。ヨーロッパ遠征では、朝食に多くの種類のチーズが並ぶことが多く、とても印象に残っています。引退後もさまざまな料理を通じて、チーズを楽しんでいます」
ザクっと崩れる食感が好き
――パルミジャーノ レッジャーノの食感についてはいかがですか?
「パルミジャーノ レッジャーノは、そのまま食べるのが好きです。ボロっと崩れる独特の質感がありますよね。食べるときはある程度の大きさに割ってから、さらに手で細かく割って食べます。そうすると粒ごとに違う食感が楽しめるのがいいですね」

――お気に入りの食べ方を教えてください。
「外食ではクワトロ フォルマッジをよく頼みます。4種類のチーズの中に、パルミジャーノ レッジャーノが使われていることが多いですよね」
――ご自宅では?
「基本はそのまま食べることが多いですが、最近のお気に入りは、ブロッコリーとゆで卵にパルミジャーノ レッジャーノのブロックを砕いて散らす食べ方です。オリーブオイルと黒胡椒をかけるだけのシンプルな味付けですが、チーズの塩味とブロッコリーの淡白さがよく合います。チーズ本来の味わいも楽しめて、気に入っています」

そこで今回は、入江さんお気に入りのレシピを特別に実演していただいた。朝食に“ちょっと前菜気分”で楽しむことが多いのだとか。入江さん直伝の、手軽でおいしい簡単レシピを動画でご紹介。ぜひお試しを。
【入江陵介さんお気に入り。パルミジャーノ レッジャーノの簡単レシピ】
文 曽宮岳大
写真 望月勇輝
ジャケット、パンツ/アンフィーロ(オンワード樫山03-5476-5811)
※パルミジャーノ・レッジャーノが認定を受けるPDOとは:
パルミジャーノ・レッジャーノは、EUの原産地名称保護(PDO)に認定されているチーズです。添加物や保存料を一切使用せず、伝統的で自然な製法によって作られています。また、世界で最も模倣や偽造が多いチーズの一つでもあり、PDO制度はこのような製品の呼称や品質を守るために設けられています。
欧州連合規則 第1144/2014号に基づくプログラム101194314 ENSO-EU ― 欧州連合の共同出資による。
※EU規則1144/2014に基づく、EU支援の農産物販促プロジェクトです。

