EVENT

「エミリア=ロマーニャに育てられた、パルミジャーノ レッジャーノの味わい」イメージ

エミリア=ロマーニャに育てられた、パルミジャーノ レッジャーノの味わい

大阪・関西万博の会場では、「エミリア=ロマーニャ州PRウィーク」と題した取り組みが行われ、同州の魅力が紹介された。掲げられたテーマは、“Emilia-Romagna, the future is here(エミリア=ロマーニャ州、未来はここにある)”。イタリア北部に位置するエミリア=ロマーニャ州は、フェラーリやドゥカティといった世界的に有名な自動車・オートバイブランドの発祥の地であり、西洋世界最古の大学であるボローニャ大学を擁する地域。また、DOP(原産地名称保護)で保護されたチーズ、パルミジャーノ レッジャーノの原産地としても知られている(パルミジャーノ レッジャーノを生産する5つの県のうち4県、パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、そしてレーノ川左岸のボローニャがエミリア=ロマーニャ州に位置する。残る1県は、ロンバルディア州に属し、ポー川右岸に位置するマントヴァ県)。パルミジャーノ レッジャーノ チーズ協会もこの取り組みに参加し、来場者にその味わいを紹介した。

伝統が未来をつくる。エミリア=ロマーニャ州からのメッセージ

オープニングセレモニーに登壇したイタリア館 館長マリオ・ヴァッターニ氏(大阪万博イタリア政府代表)は力を込めて次のように語りかけた。
「イタリア館の展示は、輝かしい“宝石”と呼ぶにふさわしいものばかり。どれも日本の人々にとって特別な存在であり、多くの来場者が楽しみにしています。エミリア=ロマーニャ州の成功を祈ります。イタリア万歳! そして日本万歳!」

職人が魅せるパルミジャーノ レッジャーノの割り技

エミリア=ロマーニャ州を拠点とする参加企業によるプレゼンテーションのあと、イタリア館内ではパルミジャーノ レッジャーノのホイールカット パフォーマンスが披露された。約40kgにもおよぶチーズの塊に丁寧に切り込みを入れていき、チーズがふたつに割れた瞬間、会場には大きな拍手が沸き起こる。24か月の熟成が育んだ深みのある香りがステージ周辺に立ち込めた。

このパフォーマンスを行なったのは、長年チーズに携わってきた星野真人さん。日本で本格的なナチュラルチーズの魅力を広めてきた第一人者だ。

学生時代に輸入食品を扱うスーパーマーケットでチーズ売り場を担当したのが、チーズとの出会いと話す星野氏。一度はその職を離れたものの、復帰してからは、“日本一のチーズ売り場を目指す”という意気込みで18年間活動した。現在も売り場を担当しつつ、コンサル会社でアドバイザーとしてチーズに携わり、2026年で“チーズ歴50年を迎えたベテランだ。

そんな星野氏にパルミジャーノ レッジャーノの魅力を尋ねると、次のような解答が返ってきた。

「パルミジャーノ レッジャーノは“イタリアチーズの王様”と呼ばれていますが、それだけのことはあると思います。割った瞬間に広がる香り、アミノ酸の旨味、粒状の食感は唯一無二。やはりこのチーズは“切る”のではなく、“割って”食べるのが正解だと思います。割ることで表面に凹凸が生まれ、結晶が見える。この“手割り”ならではの見た目と香りが最高の楽しみ方だと思います」

星野氏は、日本の消費者にもっとチーズを身近に感じてもらいたいと話す。

「パスタにかける前に、まずは一口そのまま食べてほしいですね。チーズは特別なものではなく、日常の“デイリーユース”食品。ヨーロッパではパンのように、日常に溶け込んだ身近な存在です。日本でももっと気軽に楽しんでもらいたいですね」

会場には、ドゥカティ・ジャパン代表のリンドストレーム氏の姿もあった。パルミジャーノ レッジャーノを片手に満面の笑みを浮かべるリンドストレーム氏。出身はスウェーデンだが、幼いころからイタリアの食品は身近に感じていたという。

「第二次世界大戦後、多くのイタリア人がスウェーデンに移住し、食文化を広めてくれたんです。だから私たちは子どものころからスパゲッティやオリーブオイルに親しんでいました。イタリア料理はスウェーデンでも生活の一部なんですよ。私もボローニャの本社に行くたびに、パルミジャーノ レッジャーノをよく買って帰ります」

リンドストレーム氏にお好みのパルミジャーノ レッジャーノの食し方を聞いてみた。

「たいていはそのまま、あるいは何か飲み物と一緒に食べるのが好きです。ワインかカルパーノ、あるいはその両方。もちろんパスタにもよく使いますけどね」

そんなリンドストレーム氏は、食品分野にとどまらず、製品全般においても“メイド・イン・イタリー”に強い誇りを抱いている。
「万博に展示された芸術作品には、心から感動しました。スピーチでもお話しした通り、“メイド・イン・イタリー”はデザイン、品質、そしてイノベーションの象徴であり、世界に誇るべき存在だと思います」と、イタリアの強みを力強く語ってくれた。

代官山発・ピンサが届けるイタリアの新しい味

会場の外では、イタリア館前に出店したピンサのキッチンカーから、香ばしい香りが漂っていた。提供していたのは、代官山の「ボンタイタリア」。代表のジョバンニさんが笑顔で出迎えてくれた。

「ピンサは、イタリア生まれの人気フードです。小麦粉に加えて大豆粉や米粉、自家発酵種を用い、72時間かけてじっくり発酵させて作ります。通常のピザ生地よりも水分量が多く(約85%)、米粉が水分を保持するため、冷めても固くなりにくいのが特徴です。外はカリッと、中はモチモチとした食感を楽しめます。また塩分が控えめで、生地そのものの味わいが中立的で、甘いトッピングにも塩味系の具材にもよく合うんですよ」と、ジョバンニさん。

ピンサはパルミジャーノ レッジャーノとの相性も抜群という。

「ソースに混ぜても、トッピングしても、ピンサに練り込んでも、パルミジャーノ レッジャーノはどんな形でも生きる。濃厚すぎず、毎日食べても飽きない。イタリア人にとってはパンのように欠かせない存在です」

来場者を魅了した本物のチーズ体験

イタリア館外のピンサのキッチンカーには大勢の列ができていた。パルミジャーノ レッジャーノを試食したお客さんに感想を聞いてみた。

「ナッツのような香ばしさと、優しい塩味が絶妙。口の中でほろっと崩れる感覚が美味しかったです」(女性)

続いて親子でイタリア館を訪れていたファミリー。

「ワインが飲みたくなりますね。とても美味しいです」(お母さん)

「このようなチーズを食べたのは初めてです。本格的な味で美味しいです」(お嬢さん)

「今まで食べたことがない味でした」(息子さん)

「濃厚ですごく美味しかったです。イタリアが大好きなので、また食べたいと思います」(男性)

4人で万博を楽しまれていたグループは

「チーズが好きでブルーチーズなども食べるのですが、このチーズはパラっとした食感と、旨味があり、美味しかったです」(女性)

「味が濃くて美味しかったです」(26歳・女性)

「イタリア料理が好きなんです。パルミジャーノ レッジャーノは適度な苦味があって美味しいですね。ワインと合わせたくなrます」(24歳・女性)

「旅先でチーズを買ってきて、家でワインと一緒に楽しんだりしています。このチーズはサクッとした食感が美味しいですね。また食べたいと思います」(28歳・男性)

会場には、パルミジャーノ レッジャーノを初めて食べた方も多く、新たな出会いを楽しまれた模様。カザーロ(チーズ職人)の技と時間が育む、奥行きのある味わいと芳醇な香り。その魅力は特別な場にとどまらず、日常の食卓の中でも、より多くの人に知ってほしい味わいだ。

Text:曽宮岳大
Photo:望月勇輝

※パルミジャーノ・レッジャーノが認定を受けるPDOとは:
パルミジャーノ・レッジャーノは、EUの原産地名称保護(PDO)に認定されているチーズです。添加物や保存料を一切使用せず、伝統的で自然な製法によって作られています。また、世界で最も模倣や偽造が多いチーズの一つでもあり、PDO制度はこのような製品の呼称や品質を守るために設けられています。

欧州連合規則 第1144/2014号に基づくプログラム101194314 ENSO-EU ― 欧州連合の共同出資による。
※EU規則1144/2014に基づく、EU支援の農産物販促プロジェクトです。