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「パルミジャーノ レッジャーノの“極み”が能舞台で魅せた感動体験」イメージ

歴史ある舞台で、新たな物語が始まる
パルミジャーノ レッジャーノの“極み”が
能舞台で魅せた感動体験

東京・銀座で、パルミジャーノ レッジャーノの伝統と魅力を日本文化の象徴である「能」と融合させたイベント「パルミジャーノ レッジャーノ道の極み」が開催された。「パルミジャーノ レッジャーノ道」とは、イタリアのチーズ、パルミジャーノ レッジャーノを単なる食品としてではなく、その背景にある文化や歴史、そして職人たちの技術や情熱までを伝えることを目的としたプロジェクトだ。今回のイベント会場は、現代建築と伝統が調和する観世能楽堂。重厚な空間の中で、パルミジャーノ レッジャーノの味わいと能の芸術が交わる、ここでしか体験できない特別な時間が繰り広げられた。

共鳴する「能」と「職人技」

北イタリアの特定の地域で古くから作られるチーズ、パルミジャーノ レッジャーノのローンチイベント「パルミジャーノ レッジャーノの極み」が、6月6日(金)、GINZA SIX内の観世能楽堂で開催された。このお披露目会には、宝生流能楽師・辰巳満次郎さん、俳優のMEGUMIさん、書家の中塚翠涛(すいとう)さんがスペシャルゲストとして登場。プレス関係者、飲食業界のプロフェッショナル、インフルエンサーらが来場し、能舞台でのパフォーマンスやトークショーが披露された。

観世能楽堂が選ばれた背景には、約1000年の歴史を持つパルミジャーノ レッジャーノと、1300年以上続く伝統芸能・能との間に共通点があるからだ。いずれも、代々受け継がれる“技”と“精神”が支える芸術であり、長い年月をかけて磨かれてきた真の文化資産である。五感で味わい、心で感じる豊かさ――そんな深い体験を届ける場として、これ以上ない舞台だった。

イタリア大使が語る「本物の価値」

開幕にあたり、駐日イタリア大使ジャンルイジ・ベネデッティ氏が登壇。「パルミジャーノレッジャーノには産地全体の物語、文化、芸術が息づいている」と述べ、日本とイタリアがともに「伝統、クラフトマンシップ、品質を尊重する国」であることを強調。「本日のイベントが、パルミジャーノ レッジャーノの日本での新たな出発点になることを願う」と祝辞を述べた。

能楽と書道が描き出す、職人魂の世界

イベントでは、日本におけるパルミジャーノ レッジャーノ道のロゴ「円相」が発表され、それに合わせた特別な能舞が披露された。演出を手がけたのは、重要無形文化財総合指定を受ける能楽師・辰巳満次郎さん。

舞台では、地球の精霊が「円相」に導かれて現れ、神楽を舞う幻想的な構成が展開された。
書家・中塚翠涛さんも“墨の精霊”として登場し、能と書道、そしてパルミジャーノ レッジャーノの精神性が重なり合う舞台となった。

日本×イタリア、トークセッションで紐解かれる食と文化の可能性

続くトークショーには、パルミジャーノ レッジャーノ チーズ協会のイラリア・グレコ氏、日本でのコンセプト構築を担うティツィアーナ・アランプレーゼ氏、俳優・プロデューサーのMEGUMIさんが登壇した。

イラリア氏は「“パルミジャーノ レッジャーノ道”として、日本文化の“道”と職人の精神を重ね合わせたい」と語り、チーズの奥深さと物語性を伝えていく重要性を強調。「パルミジャーノ レッジャーノの本物の味わいはもちろん、その奥にある魂や物語も感じていただけたら嬉しく思います」と述べた。

ティツィアーナ氏は、「パルミジャーノ・レッジャーノ道」のコンセプトについて、日本の武道や書道に見られる、伝統を重んじる心や長年にわたる鍛錬の精神が、パルミジャーノ・レッジャーノの歴史と深く通じ合うことを紹介した。そのうえで、パルミジャーノ・レッジャーノの本質的な価値を“美味しい”、“自然”、“本物”、“伝統”、“楽しい”という5つの言葉で表現できると述べ、「“パルミジャーノ・レッジャーノへの愛”を日本中に広めていきたい」と語った。

MEGUMIさんが世界とつながる視点で語ったモノづくりへの思い

この日、着物姿で登場したMEGUMI氏は、金沢での飲食事業や映画祭の国際発信など、幅広い活動について紹介された。そんな彼女が語ったのは、「伝統を守りながら、新しい挑戦を重ねてアップデートしていくことの重要性」。「日本とイタリアの“職人精神”には共通するものがある」と語る彼女の言葉は、観客の心にも強く響いた。

テイスティングで広がる味覚の旅

イベントの最後には、24ヶ月と36ヶ月の熟成期間による風味の違いを楽しめるパルミジャーノ レッジャーノのテイスティングが行われた。DOP(原産地呼称保護)認証を受けたイタリア産フランチャコルタや、日本の抹茶を使ったモクテルとのペアリングも提供され、来場者たちは味覚のマリアージュに感嘆の声を上げていた。

「円相」に込めた想いとは。書家・中塚翠涛が語る、形なきものへの表現

最後のトークでは、中塚翠涛さんが「円相」に込めた想いを語った。中塚さんは、「パルミジャーノ レッジャーノ道というプロジェクトを通じて、書道とチーズという一見異なる世界が深く繋がることに驚きと喜びを感じた」と話した。

「パルミジャーノ レッジャーノの伝統や美味しさはもちろんのこと、本物・自然・楽しさといったコンセプトに書道との共通点を見出しました。作品には、職人さんの思いや温かさ、美味しさを伝える線を意識しながら、脈々と受け継がれてきた伝統を円に込めました」とのこと。「このコラボレーションが、新しい発見と創作の喜びに繋がったことを嬉しく思うとともに、今後もこの感動を作品に昇華していきたい」と語った。

パルミジャーノ レッジャーノが創り出す新たな文化交流のかたち

13世紀にすでに存在し、幾世代にも渡り地域に根付いてきたパルミジャーノ レッジャーノ。その厳格な製法と品質管理が守る“本物”の味わいと共に、日本の伝統文化である能や書道に通じる“技”や“精神性”がその歴史を支えていることが今回のイベントを通じて多くの来場者に伝わったことだろう。

今後も当ウェブサイトでは、「パルミジャーノ レッジャーノ道」の魅力を多角的に発信していく予定。文化と食が交差する未来に、どうぞご期待いただきたい。

Text:曽宮岳大
Photo:望月勇輝(Weekend.)

※パルミジャーノ・レッジャーノが認定を受けるPDOとは:
パルミジャーノ・レッジャーノは、EUの原産地名称保護(PDO)に認定されているチーズです。添加物や保存料を一切使用せず、伝統的で自然な製法によって作られています。また、世界で最も模倣や偽造が多いチーズの一つでもあり、PDO制度はこのような製品の呼称や品質を守るために設けられています。